DHAとEPAが血液サラサラにする原理は別物だった!
「DHA/EPAでサラサラに!」という広告をみかける事があるかもしれません。
DHAもEPAもひとまとめにされがちですが、実は血液をサラサラにする作用は、DHAとEPAそれぞれで別の仕組みによるものです
photo by Horia Varlan
DHAが血液サラサラにできる理由
DHAが血液に与える影響は、主に赤血球の部分です。 赤血球はちょうど円盤のような形をしたくぼんだ円形の形状。主に酸素を前進におくるための機関ですが、血液中のその他の成分と比較してみても比較的大きなサイズをしてる成分です。
DHAが各成分に与える働きを簡単に説明すると「柔らかくする」という機能があります。この機能が赤血球に対しても働き、DHAが赤血球を柔らかくします。
赤血球が柔らかくなる状態は、ちょうどゴムボールのように柔軟性が出るということ。
赤血球はものすごく細い毛細血管もとおる必要がありますが、その際に、ゴムボールのような柔らかさがある事で、するりと通る事ができます。
また、DHAは血管壁の柔軟性も上げてくれるため、なおのこと赤血球がとおりやすい状態を生み出しているのです。
逆に、赤血球が野球ボールのような硬さだったら…。スムーズに通ることが難しくなるはずです。
EPAが血液サラサラにできる理由
DHAが赤血球や血管壁に対して働く事に対し、EPAは主に血小板に作用しています。
その原理は、EPAが血小板の凝集作用を抑えるという事。
血小板は、例えばケガをして血が出た時に、血小板が集まる事で「カサブタ」となり出血を抑えます。
その一方で、この集まる力(凝集作用)が強いすぎると、いわゆるドロドロの血となりやすなってしまい、血栓の要因ともなってしまいます。
EPAが血小板の凝集作用を抑える理屈は、「トロンボキサン」と「プロスタグランジン」と呼ばれる成分の仕組みを理解する必要があります。(ちょっとだけ、専門的な内容になります)
EPAのオメガ3系の脂肪酸に近い成分、オメガ6系の脂肪酸の「リノール酸」は、体内で「アラキドン酸」に変わります。アラキドン酸とは?身体への効果と影響の記事中でも解説しているように、アラキドン酸も血小板に影響する成分です。
ケガ等で血管が破れた時は、アラキドン酸が「トロンボキサンA2」を生成し、血小板を凝集し修復します。
同時に、作用が強まりすぎないように凝集を抑える「プロスタグランジンI2」も生成しますが、アラキドン酸由来のトロンボキサンA2は、その凝集作用がかなり強力です。
ですので、リノール酸系の脂を摂取しすぎてアラキドン酸を増やしすぎる事は、血栓の要因を増やしてしまっているようなもの。
対してEPAの場合。EPAもアラキドン酸と同じく、トロンボキサンとプロスタグランジンを生成します。
ただし、EPAから生成されるのは「トロンボキサンA3」と「プロスタグランジンI3」です。EPA由来のトロンボキサンA3の血小板を凝集する作用はとても緩やかで、プロスタグランジンI3の血小板の凝集を抑える効果はとても強力です。
これは、アラキドン酸由来のプロスタグラジンA2とトロンボキサンI2とまったくの真逆です。
これらの作用より、EPAは血小板の凝集を抑え、その結果 「サラサラに」と言われるという仕組みです。
ちなみにEPAは、医薬品として「エパデール」等の名前でも処方されていて、その効果の強さが伺えます。
現代人に不足しているDHA/EPA
DHA/EPAは「魚の油」です。特に、青魚に多く含まれている成分として知られます。
厚生省が推奨する1日に必要なDHA/EPAの量は1000mg。それに対して、実際に現代人が摂取できている量は、20代で約「200mg」、高年齢層でも「500〜600mg」と不足しています。足りない理由は明確で、昔に比べて「日々、魚を食べる事が減った」からです。
いきなり「魚食」に切り替える事は、現実的にはなかなか難しいもの。そこで、サプリを活用する方法をおすすめします。不足しているDHA/EPAを、普段の食事に手軽にプラスするという方法です。
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