魚不足による悪影響と代表的な症状まとめ
「魚を食べない」という人が増えてきています。魚不足によって、人の体にどのような影響があると考えられているのでしょうか?
photo byfto mizno
長生きできない?
「予防ガン研究所」は、魚を食べる事が健康に対してどのような影響を与えるのか?という調査を17年に渡り行っていました。
地域的な差異が出ないように全国のいくつかの都道府県をピックアップ。指定された都道府県内の40歳以上の約27万人の男女を対象として調査。
はじめに、それぞれのライフスタイルや食生活について調査し、調査後に17年の年月が経過した時点でその死亡率を調べたという貴重なデータです。
その調査結果では、「魚を毎日食べている人に比べて、魚を食べていない人は死亡率が男女共に約30%も増加していた」というものでした。
また、高齢者に多く発生しやすい「脳血管疾患」「心臓病」「各種ガン」「高血圧」等の発生率も、魚を毎日食べている人に比べて、魚を食べてない人の発生率が高く、中には2倍近くの発生率の差があるものもありました。
心筋梗塞のリスクがあがる?
デンマークの調査チームは、デンマーク人とイヌイットの疫学調査を行っていました。
調査を行うきっかけとなったのが「イヌイットがデンマーク人に比べて心筋梗塞や血栓性疾患を発生する割合はかなり少ない」という事実に基づくものです。
調査チームは、まず遺伝的な要因を調査しましたが、デンマークの都心部に移住していたイヌイットの場合は、心筋梗塞の発生割合がデンマーク人と変わらない事を確認しました。
つまり、「イヌイットの体質的なもの」という線はなくなったという事です。
そこで、次に注目したのがそれぞれの食生活についてです。
イヌイットの食生活は近海で摂れるサケの他、オットセイやアザラシ等の海獣を食べるという食文化を持っていました。
デンマーク人はどちらかというと肉食で、高脂肪食が多い食生活です。そして、イヌイットが食べる海獣も同じく高脂肪食でした。
同じ高脂肪食なのに、なぜイヌイットの方が心筋梗塞が発生する割合がこんなにも低いのか?
そこで、研究チームが発見したのが、イヌイットの血中に大量のDHA/EPAが含まれていて、逆にアラキドン酸の割合はかなり低かったという事でした。
イヌイットが食べていた海獣。その海獣が普段食料としていたのは海の中の魚達です。
DHA/EPAは特に青魚に多く含まれている脂肪酸ですので、その魚を主食にする海獣にも大量のDHA/EPAが含まれる事になります。
そして、その海獣をイヌイットが食べる事で、イヌイットの血中に大量のDHA/EPAが含まれる事になったのです。
DHA/EPAは何に一番効き目がある?の記事内でも解説しているとおり、DHA/EPAは心血管疾患リスクを低減する作用が認められていて、それは消費者庁の調査データでも最高ランクの「A判定」を貰っています。
その他、代表的な効果
紹介した消費者庁のデータでは、DHA/EPAが何に効果があるのか?という事について、綿密に調査をされています。
「心血管疾患リスク低減」の他、代表的なものが「中性脂肪の低下」等の作用です。この作用は、医療の分野でも実際に利用されていて、中性脂肪を下げる処方薬であるエパデールは、EPAを主成分としています。
▶関連:DHA/EPAは何に一番効き目がある?効果のあるもの一覧
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