「ニンニク」の血液サラサラ効果の本当とウソとは?
スタミナ食材の代表的な野菜であるニンニク。血液サラサラ効果については、本当に効果が見込めそうな事実とそうではない部分があるようです。
photo byJMacPherson
スコルジニンによる効果は本当?
ニンニクは、その独特な香りが特徴的です。
その匂いの素となっている成分が硫化アリルと呼ばれる成分で、ニンニクにはアリインと呼ばれる硫化アリルが含まれています。
このアリインはニンニクを切ったりすりおろしたりするタイミングで、アリシンと呼ばれる成分に変化。
さらに、このアリシンを加熱する事でスコルジニンを呼ばれる成分に変化します。
調理する過程で、アリイン、アリシン、スコルジニンと変化していくわけです。
そして、この最終的な状態であるスコルジンには、毛細血管を拡張させる作用があります。この働きにより、血流の流れが改善しサラサラにしてくれるというわけです。
ですので、実際にはドロドロなものをサラサラにするというよりは、血液をとおす部分を拡張してドロドロでも通しやすくしているとも言えます。
アリインの効果は疑問?
硫化アリルであるアリインや、またその変化した状態であるスコルジンには、血中内の善玉コレステロールを増やしてくれる働きがあるとされます。
この作用によって血中コレステロールの働きを良くし、結果として血液をサラサラにしているとも言われます。
ただ、血中コレステロールと血液ドロドロの関係については、日本を代表する学会同士でも意見が違っている部分であり「関係あり」と「関係なし」に二分されます。
ですので、これらの成分によって血液サラサラ作用があるかどうかは、直接的に結び付けない方が良いかもしれません。
ニンニクをすりおろしたり、カットした時にアリインがアリシンに変わりますが、アリシンにはニンニクに含まれる「ビタミンB1」と結びついて体内に吸収されやすい状態になります。
アリシンもビタミンB1も、疲労回復には有効である事は認められていますので、血液をサラサラにするよりもこちらの効果の方に注目すべきと言えそうです。
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