物忘れ

物忘れ・認知症に使われる代表的な薬の種類と副作用まとめ

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病院で処方される物忘れや認知症に使われる事の多い、一般的な薬と、それぞれの副作用についてまとめました。

(※ 実際に使用する場合は、必ず医師の判断指示が必要です。)

photo by Toshiyuki IMAI

 

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬

認知症の特効薬となるものは現在は開発されていませんが、その中でも認知症への有効性が唯一認められているのが「アセチルコリンエステラーゼ阻害薬」です。

日本では日本人が開発した世界初の治療薬である「塩酸ドネペジル(商品名アリセプト)」という名前のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬が主流です。

他、欧米では商品名「コグネックス」「エクセロンパッチ」「レミニール」等の薬も使用されています。

認知症になる一因に「脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンが、大幅に減少しているため」という事が指摘されています。

アセチルコリンは海馬の機能調整と関係があり、認知や学習機能とも繋がりが。そのため、認知症とも深く関わりのある成分です。

そこで、このアセチルコリンが減ってしまう事を改善できれば、認知症改善の手助けになるのでは?という発想のもと開発されたのが「アセチルコリンエステラーゼ阻害」タイプの薬です。

アセチルコリンエステラーゼは、アセチルコリンを分解してしまう酵素のひとつです。

この酵素の働きを阻害する事で、アセチルコリンの絶対量が減るのを防ぐ事が、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の効果。

ここまでをまとめると、次のような流れになります↓

  1. アセチルコリンが減る事が認知症の一因
  2. アセチルコリンエステラーゼがアセチルコリンを分解してしまう
  3. 「アセチルコリンエステラーゼ阻害薬」で分解を抑制
  4. 認知症の進行を抑制

実際の効果を見るとわかるように、「アセチルコリンエステラーゼ阻害薬」は、アセチルコリンをこれ以上減ってしまわないようにしているだけ。

ですので、この薬でアセチルコリンの量が増えるわけではありません。

認知症への効果は認められてはいますが、「認知症を根本的に直す薬ではない」という事を理解しておく必要があります。

「アセチルコリンエステラーゼ阻害薬」の主な副作用としては、服用開始後に下痢や吐き気等の症状が。また、稀に眠気やめまい、動悸や脈の乱れ等が起こる場合もあります。

ちなみに、漢方薬の中には、アセチルコリン活性化に有用とされるものがあります。

アセチルコリンを産出するのはコリンアセチルトランスフェラーゼという酵素で、「帰脾湯」と言う漢方は、コリンアセチルトランスフェラーゼを活性化させる働きがあります。

この作用によって、アセチルコリン活性化させる効果が期待できると言われています。

▶関連:物忘れに効果の期待できるおすすめ漢方3つ・抑肝散の注意点

 

メマンチン(メマリー)

認知症の要因のひとつ「グルタミン酸仮説」というものに基いて開発されている薬です。

通常、グルタミン酸は脳内で記憶や学習に関わる役割をする重要なアミノ酸。

必要なアミノ酸ではありますが、認知症患者の場合、脳内でグルタミン酸の濃度が濃すぎる状態になってしまっています。

異常に増えたグルタミン酸は、脳の神経細胞興奮させ死滅させてしまいます。

メマンチンは過剰に増えすぎるグルタミン酸の分泌を抑える事で、神経細胞の死滅を防ぐ薬です。

  1. グルタミンは増えすぎると脳の神経細胞を死滅させる
  2. メマンチンでグルタミンを抑制
  3. 脳神経細胞の死滅を抑える事で認知症の進行を抑制する

ちなみに、先に紹介したアセチルコリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンは、作用する部分が異なっているため、併用して服用するケースも多いです。

メマンチンの副作用としては、頭痛・催眠・食欲不振・便秘等が挙げられます。

 

精神安定の薬

睡眠導入剤や精神安定薬、抗うつ剤等が使用される場合もあります。

これらを使用する目的は、「BPSD」と呼ばれる認知症由来の周辺症状の対策用です。

認知症の周辺症状(BPSD)には、徘徊・物盗られ妄想・幻覚・うつ・介護拒否・不眠など、様々な症状があり、これらに対する対策のために、精神安定の薬を併用するということ。

ちなみに、睡眠薬等を使用する場合には、薬の作用時間や種類によってかなり綿密に医師が判断する必要があり、勝手に辞めてしまうと、反跳性不眠等の悪影響が起きる場合もあるので注意が必要です。

▶関連:【睡眠薬・種類まとめ】効果時間と強さを簡単に比較

 

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